- 2009-12-11 (金) 10:32
- 魔法書
中国のネット検閲がよく話題になる。現代の言論統制に他ならないが、過去にはどのような規制があったのだろうか。
『中国の禁書』 は、紀元前213年の焚書坑儒に始まり、1912年に滅亡した清王朝にいたるまで、中国で行われた禁書政策を解説した本である。禁書は権力者の稚拙な発想によって始まり、手法はどんどん複雑化していく。訳者によれば 『禁書進化論』 というべき内容となっている。
原書は
- 中国禁書簡史 中国禁書の歴史
- 中国禁書解題 主要な禁書の概要、二百二十
- 中国歴代禁書目録 七千におよぶ禁書リスト
の三部からなる大作である。しかし訳書では「中国禁書簡史」の一部が抜粋されているだけである。その一部であっても内容が濃い。基本的には史実が記載されているだけで、禁書を批判しているわけではないのだが、著者陣の激しい想いが伝わってくる。
私は「中国禁書解題」や「中国歴代禁書目録」の内容を期待してこの本を手にとったので、そういう意味では少し不満ではあるが、著者と、中国という国のエネルギーに圧倒されてしまった。
私は中国史に疎く、まだ内容を受け止めきれていない。しかし本好きならば、本書と真剣に向かい合う必要があるのだろう。なにしろ禁書政策は現在進行形で進化しているのだ。そして日本も他人事ではない。
- 訳者前書き
- 主編者前言
- 中国禁書簡史序言
- 第一章 稚拙な残酷さ 中国史上初、二回の禁書事件
- 春秋戦国から秦代の素描
- 1 二千年前のニューアイデア
- 2 韓非の禁書理論
- 3 始皇帝の焚書坑儒
- 4 根源は文化鞭tに
- 第二章 北方の暴風 漢から唐、五代の禁書
- 漢代から唐、五代までの素描
- 1 放尿皇帝から開明策へ
- 2 愛憎深い予言、天文書
- 3 ターゲットは老荘に
- 4 仏教の受難
- 5 巻き添えにあった道教
- 6 隋朝、国土統一で殲緯逐滅
- 7 日月火……カレンダーまで厳禁
- 8 五代の後周の禁書
- 9 ソフト対応の南方諸王朝
- 第三章 文治の陰影 南北宋朝の禁書
- 宋代の素描
- 1 初代皇帝の疑惑の死
- 2 ペレストロイカ官僚の異論封圧
- 3 ネコの目行政は禁書にも
- 4 流亡政策のメンツ繕いで歴史書退治
- 5 名門の面汚しと武将の気骨
- 6 大量出版時代の憂愁
- 7 宋朝最後の禁書「江湖集」
- 第四章 意外に鷹揚だった元朝 異民族支配が幸い?
- 元代の素描
- 1 宗教論争に振り回された禁書
- 2 迷信狩りにも底の浅さ
- 3 仏僧の野望、打ち砕けず
- 4 悲しき逆説
- 第五章 専制ますます強まる 漢民族復権の明朝
- 明代の素描
- 1 流浪僧皇帝のインテリ憎悪
- 2 クーデターで即位 永楽帝の影
- 3 小説ブームに危機感
- 4 受験アンチョコ本も禁止
- 5 異端、陽明学の驚異
- 6 追従者の悲劇
- 7 派閥抗争の余波
- 8 邪教利用の因果応報
- 9 王朝断末魔に「水滸伝」の禁
- 第六章 残酷なる報酬 満洲民族の清王朝
- 清代の素描
- 1 一冊で刑死千人 康熙帝の<文字の獄>
- 2 政治音痴の歴史学者
- 3 帝権確立に力点 雍正帝
- 4 気のふれた者も許さず 乾隆帝
- 5 「四庫全書」の舞台裏
- 6 小説、戯曲の弾圧
- 7 禁書で止められぬ宗教エネルギー
- 8 キリスト教との衝突
- 9 流入する新思潮、そして
- 10 日本関連も禁書に
- 11 革命の拠点、「蘇報」
- 12 租界に及ばぬ王朝の威光
- 13 王朝絶えるとも、禁書は……
- 元代の禁書 (訳者後書きにかえて)
- 中国略史年表
- 中国歴史地図
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