- 2009-12-13 (日) 10:35
- 魔法書
フラは手話だという。動きの一つ一つに意味がある。フラは文学だという。ハワイには長い間文字がなく、口承とフラによって物語を伝えてきた。フラが言葉以上のものを伝えるのであれば、言葉でフラを伝えることは可能なのだろうか?
そもそも私がハワイの魔術的側面に興味を持ったのは、10年以上前に偶然フラ・カヒコ(古典フラ)を見たことがきっかけだ。踊りが始まった瞬間、私は今まで持っていたハワイの知識が全て間違っていることを理解した。そこには「神」がいて「魔術」があった。その踊りはどう見ても神に捧げる踊りだったし、何百年と踊り継がれてきたであろうことは容易に想像できた。
……と、言葉で語ったところで伝わらないのではないかと思う。動画を見ていただきたい。
『踊る東大助教授が教えてくれた ハワイとフラの歴史物語』 は、西洋文化が入ってきて以来ハワイ社会とフラがどう変化してきたかを、筆者の経験を混じえながら語った本だ。
簡単に言うと次のような流れになる。
- 宣教師がフラを禁止する
- 西洋文化と融合することでフラを存続させる
- 観光客向けのショーダンスが広まる
- ハワイ文化復興運動により、フラ・アウアナ(現代フラ)とフラ・カヒコ(古典フラ)という括りができ、フラ・カヒコに注目が集まる
- フラ・カヒコの更なる理解、再解釈が進められている ← イマココ!
エッセイをまとめ直した本なので、一章一章がほどよい長さで調度良い。ただハワイの歴史について体系的にまとまっている訳ではない。観光ガイドに近いかもしれない。どちらかと言うと、ページの合間に書かれているコラムの方が面白い。ブログにしたら人気が出そうだ。
冒頭に書いたように、フラを文章で伝えることは極めて難しい。この本を読んだところで、フラを理解できるとは思えない。著者が言うように、見るだけでは足りず、実際に「やってみる」ことが必要なのだ。
しかしフラに興味がない人はこの本を手にすることはないだろう。10年前の私のように「え、フラって何?」と思った人への入門書としては最適だ。
- フラを創る人々
- 第1章 愛の歌「アロハ・オエ」 ― リディア・リリウオカラニ
- 第2章 「フラこそがハワイの文学」 ― ナサニエル・エマソン
- 第3章 「フラとはハワイであり、ハワイとはフラ」 ― 伝説のクムフラ マイキ・アイウ・レイク
- 第4章 「ラブリー・フラ・ハンズ」 ― アレックス・アンダーソンとハパ・ハオレ
- フラをめぐる歴史
- 第5章 フラ・カヒコという伝統
- 第6章 5月1日 メーデーはレイ・デー
- 第7章 メリー・モナーク・フェスティバル
- 第8章 ハワイのカウボーイ パニオロ
- フラを創る社会
- 第9章 ハワイの魅力の宝庫 ビショップ・ミュージアム
- 第10章 ハワイの伝統を教える教育機関 ハワイ大学
- 第12章 ハワイアンの起原と太平洋の文化
- あとがき
- 参考文献&おすすめ文献
- ゆうじん先生の面白コラム
- フラはハワイのフォークダンス?!
- ネイティヴ・ブックスでハワイ探し
- お気に入りフラスポット ~ハレクラニのカノエ・ミラー~
- ハワイの神殿、ヘイアウ
- アロハシャツ
- ハワイ島のコナコーヒー
- フラを踊る人
- ハワイアン・アート
- ビショップ・ミュージアムでのレイ作り
- ぼくのフラ体験
- マウナケア山頂から見る満天の星

ハワイとフラの歴史物語―踊る東大助教授が教えてくれた (素敵なフラスタイル選書)
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