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踊る東大助教授が教えてくれた ハワイとフラの歴史物語

フラは手話だという。動きの一つ一つに意味がある。フラは文学だという。ハワイには長い間文字がなく、口承とフラによって物語を伝えてきた。フラが言葉以上のものを伝えるのであれば、言葉でフラを伝えることは可能なのだろうか?

そもそも私がハワイの魔術的側面に興味を持ったのは、10年以上前に偶然フラ・カヒコ(古典フラ)を見たことがきっかけだ。踊りが始まった瞬間、私は今まで持っていたハワイの知識が全て間違っていることを理解した。そこには「神」がいて「魔術」があった。その踊りはどう見ても神に捧げる踊りだったし、何百年と踊り継がれてきたであろうことは容易に想像できた。

……と、言葉で語ったところで伝わらないのではないかと思う。動画を見ていただきたい。

『踊る東大助教授が教えてくれた ハワイとフラの歴史物語』 は、西洋文化が入ってきて以来ハワイ社会とフラがどう変化してきたかを、筆者の経験を混じえながら語った本だ。

簡単に言うと次のような流れになる。

  1. 宣教師がフラを禁止する
  2. 西洋文化と融合することでフラを存続させる
  3. 観光客向けのショーダンスが広まる
  4. ハワイ文化復興運動により、フラ・アウアナ(現代フラ)とフラ・カヒコ(古典フラ)という括りができ、フラ・カヒコに注目が集まる
  5. フラ・カヒコの更なる理解、再解釈が進められている ← イマココ!

エッセイをまとめ直した本なので、一章一章がほどよい長さで調度良い。ただハワイの歴史について体系的にまとまっている訳ではない。観光ガイドに近いかもしれない。どちらかと言うと、ページの合間に書かれているコラムの方が面白い。ブログにしたら人気が出そうだ。

冒頭に書いたように、フラを文章で伝えることは極めて難しい。この本を読んだところで、フラを理解できるとは思えない。著者が言うように、見るだけでは足りず、実際に「やってみる」ことが必要なのだ。

しかしフラに興味がない人はこの本を手にすることはないだろう。10年前の私のように「え、フラって何?」と思った人への入門書としては最適だ。

  • フラを創る人々
    • 第1章 愛の歌「アロハ・オエ」 ― リディア・リリウオカラニ
    • 第2章 「フラこそがハワイの文学」 ― ナサニエル・エマソン
    • 第3章 「フラとはハワイであり、ハワイとはフラ」 ― 伝説のクムフラ マイキ・アイウ・レイク
    • 第4章 「ラブリー・フラ・ハンズ」 ― アレックス・アンダーソンとハパ・ハオレ
  • フラをめぐる歴史
    • 第5章 フラ・カヒコという伝統
    • 第6章 5月1日 メーデーはレイ・デー
    • 第7章 メリー・モナーク・フェスティバル
    • 第8章 ハワイのカウボーイ パニオロ
  • フラを創る社会
    • 第9章 ハワイの魅力の宝庫 ビショップ・ミュージアム
    • 第10章 ハワイの伝統を教える教育機関 ハワイ大学
    • 第12章 ハワイアンの起原と太平洋の文化
  • あとがき
  • 参考文献&おすすめ文献
  • ゆうじん先生の面白コラム
    • フラはハワイのフォークダンス?!
    • ネイティヴ・ブックスでハワイ探し
    • お気に入りフラスポット ~ハレクラニのカノエ・ミラー~
    • ハワイの神殿、ヘイアウ
    • アロハシャツ
    • ハワイ島のコナコーヒー
    • フラを踊る人
    • ハワイアン・アート
    • ビショップ・ミュージアムでのレイ作り
    • ぼくのフラ体験
    • マウナケア山頂から見る満天の星


ハワイとフラの歴史物語―踊る東大助教授が教えてくれた (素敵なフラスタイル選書)

東京大学大学院 矢口祐人研究室

ホ・オポノポノ 奇蹟の原点 カフナの秘法

最近、ハワイの魔術に興味がありいろいろと調べているのだが、微妙にブームのようで、新刊がいくつか出版されている。しかしほとんどが、「スピリチュアル」「癒し」「ヒーリング」「自己実現」「願望達成」といったキーワードで表現されるような内容で、私が求めているものとちょっと違うのだ。そんな中、本書は求めるものに近そうだと手にとってみた。

『ホ・オポノポノ 奇蹟の原点 カフナの秘法』 はハワイの呪術師(カフナ)の秘儀(フナ)を解説した本だ。

私は「ホ・オポノポノ」も「カフナ」もまったく知らない。その状態で訳者まえがきを読んだ時、若干混乱してしまった。原書 『Secret Science Behind Miracles, Unveiling the Huna Tradition of the Ancient Polynesians』 がマックス・フリーダム・ロングによって書かれたのは1948年のことだ。この研究に基づき、1970年代後半にオサ・ウィンゴとシメオナによって開発されたのが「ホ・オポノポノ」だ。つまりホ・オポノポノの原点だと言っているだけであって、ホ・オポノポノを解説している訳ではない。おそらくマーケティング上の理由で出版社がつけたタイトルなのだろう。私はホ・オポノポノのことを知らないのでどちらでもいいのだが、混乱する人は多そうだ。

また、本書は基礎篇しか翻訳していない。内容は簡潔で分かりやすいのだが、もう少し量が欲しいところだ。1948年という時代もポイントだ。フロイトの「潜在意識」というキーワードがホットな時代だったのだろうか。著者のマックス・フリーダム・ロングは心理学を修めてはいるが、今の心理学者であれば別の言葉で表現するかもしれない。

著者の説が正しいかどうかは別として、「フナ」の理論が簡潔に整理されている。まるで漫画 『HUNTERxHUNTER』 の「念」のようだ。

著者は三つの霊と、三つの生命力(マナ)と、三つの影体でフナを説明している。表にまとめると、次のようになる。

潜在意識、ロウセルフ、ウニヒピリ 意識、ミドルセルフ、ウハネ 超意識、ハイセルフ、アウマクア
低い生命力、マナ 中の生命力、マナマナ 高い電圧の生命力、マナロア
低い影体、キノアカ 中の影体、キノアカ 高い影体、キノアカ

これに基づき、例えばテレパシーは、ロウセルフの影体をアメーバの様に伸ばして相手に接続し、その上をマナが流れ、情報を読み取る、予知はハイセルフからロウセルフ経由でミドルセルフにもたらされる、瞬間治療はハイセルフのマナロアによって物質を分解し、ロウセルフの影体に流し込み再構成する、などと解説される。

ハイセルフは未来を知っている。未来を知ることで、未来を変えることができる。この点が冒頭の「自己実現」や「願望達成」につながっているようだ。

読みやすい本ではあるが、原書が古いこともあり、少し物足りない。訳者あとがきによると、応用編も出版されるようなので、そちらにも期待したい。

訳者まえがき ホ・オポノポノの源流「カフナ」の癒しと幸せの教え
序章 よみがえるハワイ・カフナ族の秘密(フナ) 世界を一変させる”奇跡の叡智”の公開
第1章 溶岩流渡り 超常的行為を可能にする呪術のパワー
第2章 呪術の力はどこから来るのか 魔術と心霊現象を科学的に検証していく
第3章 呪いの術「死の祈り」 霊に働きかける不思議なメカニズム
第4章 カフナの霊魂学 カフナ心理学から多重人格を解明する
第5章 目に見えない物質 テレパシーなど魔術の鍵となる影体紐とは何か
第6章 過去と未来の透視 時空を超えた特殊な状態はこうして起こす
第7章 マインド・リーディング 潜在意識・影体紐・生命電流を駆使した霊能力
第8章 未来を変える秘術 未来づくりを左右するハイセルフと念対の仕組み
第9章 未来を予知する ハイセルフの導きでいかに愛・奉仕の法則へシフトするか
第10章 瞬間的治癒の奇跡 究極の医療!細胞をエクトプラズム化して元の状態に戻す
第11章 死者蘇生の秘儀 復活・物質化現象は電気的パワーが鍵を握る
コラム カフナ・ヒーリングを実践しましょう マナを過充電して癒しに役立てる方法
訳者あとがき


ホ・オポノポノ奇蹟の原点 カフナの秘法 (超★スピ)

神々のハワイ

神話は、形が固定された時、その役目を終えるのかもしれない。

『神々のハワイ』 は、ハワイ出身の作家スザンナ・ムーアによる、ハワイの歴史と、神話と、著者の体験が混じり合った、ちょっと不思議な本だ。

1778年にヨーロッパ人として初めてハワイ島を訪れたクック船長は、収穫の神ロノの再来として熱烈に迎えられた。一方、ヨーロッパ人がタブーを破っても神から何も罰せられないことが島民に知れ渡ると、古い信仰は崩壊していった。19世紀には日本人を含む多数の外国人が移住し、先住民は追いやられていった。

著者はまるで自分がそこにいたかのように歴史を語る。歴史は常に変化しており、神話もまたその姿を変えていく。

神話とは、実際的な必要と精神的な欲求を同時に満たしてくれる古代世界への賛美だ。

神話とは、謎に包まれた英雄を魔力をもつ聖なる存在に変える芝居仕立ての儀式だ。

神話とは、超越的な存在についての観念をあらためて認識し守る手段だ。

神話とは、自然界とそのなりたちを語るものだ。

著者は神話とは何かを自問する。

実のところ、ハワイの神話が解説されているわけではない。また歴史についても、さわりが書いてあるだけである。ハワイ通には物足りないかもしれない。

本書の良いところは、スザンナ・ムーアが自分の言葉で語っており、文章が面白いということだ。同じ歴史の授業ならば、話の上手い先生に学びたいものである。

ハワイに興味がある人はもちろんのこと、文明や神話に興味がある人も楽しんで読めるだろう。

  • 第1章 死者の夜行
  • 第2章 神の再来
  • 第3章 ヨーロッパ人
  • 第4章 偉大な王
  • 第5章 カプ
  • 第6章 子供たち
  • 第7章 島
  • 第8章 収集家
  • 第9章 宣教団
  • 第10章 土地の所有者
  • 第11章 カナカ・マオリ
  • 第12章 女王
  • 第13章 楽園
  • 第14章 ミュージシャン
  • 第15章 森
  • 原注
  • 巻末エッセイ 語り部の海 中上 紀


神々のハワイ (ナショナル・ジオグラフィック・ディレクションズ)

ポリネシアン・トライアングル 古代南太平洋の謎と神秘

16世紀初め、ヨーロッパ人が初めてこの島々を訪れて以来、ポリネシアには「この世の楽園」というイメージが定着した。それは21世紀になっても変わっていないようだ。楽園のイメージは確かにポリネシア文化の一面ではあるが、全てではない。私はポリネシアの魔術的文化に興味があるのだが、それを扱った日本語の本は極端に少ない。(英語だとそれなりにあるようだ)

本書は、チェコの民俗学者スティングルが書いた、ポリネシアの神話、古代文明、伝統生活などを解説した本である。スティングルは初めてトンガ諸島を訪れたとき、ピラミッドがあることに驚いたそうだ。民俗学者である彼が、入念な下調べの上訪れたのに、ピラミッドがあることを知らなかったのだ(私も本書を読むまで知らなかった)。その驚きが原点となり、ポリネシアの真の姿を紹介しようと書かれたのが本書である。

内容は、ポリネシアの創世神話に始まり、ポリネシア人はどこから来たのかという疑問、航海術、農業、社会構成など多岐にわたる。

第五章・第六章では、酋長(アリキ)と神官(タフナ)を中心とした社会がどのように構成されているかが解説されている。ポリネシアの社会構成で重要な概念が「タブー」と「マナ」だ。タブーはもともとポリネシア語で、クック船長がヨーロッパに持ち帰った後、世界的に広まった。ポリネシアのタブーは宗教的な意味合いのものもあるが、社会の利益に適ったものも多い。マナは人や物に宿る神聖なエネルギーで、権力とも深く結びついている。タブーとマナは社会のルールなのだ。

幅広いテーマを扱っている分、少し物足りないかもしれない。内容は簡潔で、翻訳文章も読みやすいので、ポリネシア入門書としては最適か。

序にかえて
第一章 ポリネシアの誕生
愛らしき海、モアナ
海からの誕生~ダーウィンの環礁(アトル)発生説
「楽園創造」と「進化論」
南海のプロメテウス、漁師マウイ
進化と淘汰の中で~ポリネシアの生物
ポリネシアン・トライアングル
海の民族大移動
第二章 古代ポリネシアの謎
太平洋のアトランティス大陸
海の底の真実
死者の魂が戻りゆく島、ハワイキ
エジプト文明の痕跡~ファラオ祖先説
南海に渡ったキリストの子孫~ユダヤ人祖先説
白い神々が遺したもの
コンティキ号の功罪
東へ―南米大陸への道
第三章 「南海のヴァイキング」ポリネシア人
双胴船の発明
ポリネシアの航海術
神の加護を受けた造船
南海のヴァイキング
植民と発展の歴史
人口過剰~マルキーズ諸島の植民
大航海の果てに
大ポリネシア語圏と各地の言葉
第四章 古代ポリネシア人の生活
イモと木の実の農業
コショウの”覚醒剤”
祖先の魂が宿る「彫刻の館」
「歩くモアイ」の謎
道具も身体もファッショナブルに
聖なるフラダンス
ハワイアン音楽の原点
「元祖サーファー」
楽園の愛、そして結婚
和合の掟書『歓喜の勧め』
第五章 ポリネシアの神々
貝から生まれた創造神、タアロア
神々にも階級
「タブー」と「マナ」
法、哲学そして神
文学に秘められた呪術
イースター島の「喋る板」
第六章 神々に仕える者
神界と人間界の仲介者、タフナ
南海にそびえる石造神殿
生け贄に上の神殿造り
戦争と平和を支配した神殿(マラエ)
旅廻り芸人たちの舞台
家族制度と三大階級
貴族、庶民、奴隷
酋長(アリキ)と王
千年の王国
訳者あとがき


ポリネシアン・トライアングル―古代南太平洋の謎と神秘 (古代文明の謎を追え!)

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